伝統的な鍼灸技術である刺絡には様々な器具や方法が用いられますが、
日本刺絡学会が採用している初心者にとって安全な方法を提案します。
刺絡鍼法とは、経絡の流注とその主治作用にもとづき、患者の病態に応じて、皮膚・経穴・血絡を選択し、三稜鍼またはその他の鍼具を用いて浅刺し、少量の血液を放出して経絡の気血の流行を疏通せしめ、症状を緩和し、疾病の治癒をはかる方法である。
日本刺絡学会では当学会の前身である全国刺絡問題懇話会で決めた刺絡鍼法の定義を受け継いで、刺絡鍼法をこのように定義しています。
皮膚および末端部位で、気の運行を阻害している「血絡」あるいは「孫絡」を流行させ、前身の気血の運行を改善し、陰陽の気のアンバランスを調整し、疾病を治癒させます。
三稜鍼
長さ6~8㎝、鍼尖部(三稜になっているところ)の幅が0.2㎝くらいのものが使いやすいです。
スプリング式三稜鍼
三稜鍼をスプリングつきの管に入れたもの。
吸角
ガラス製で接続用バルブが装着できるもの。口径の大きさによってさまざまあるが、部位などによって使い分けます。
吸引器
手動式と電動式があります。
井穴刺絡
スプリング式三稜鍼を用いて、手・足の井穴に刺絡し、手指による圧迫でうっ血を去り、気血を循環させる方法。
皮膚刺絡
井穴刺絡と細絡刺絡以外のもの。皮膚や筋の圧痛・硬穴などの部分や経穴にスプリング式三稜鍼を用いて刺絡し、吸角または手指による圧迫でうっ血を去り、気血を循環させる方法。
細絡刺絡
細絡に三稜鍼を用いて刺絡し、吸角または手指による圧迫でうっ血を去り、気血を循環させる方法。